沖縄ウミガメの産卵

ウミガメの訪れる恩納村

沖縄本島の恩納村に仲泊と言う場所があります。

琉球王府 時代の主要道(宿道)には一里(約4km)ごとに塚が設置され、行き交う人々の目安とされました。
仲泊の一里塚は自然の丘を利用した塚です。

かつて恩納村には五箇所に一里塚がありましたが、現存しているのは仲泊と真栄田だけです。また、県内でも一里区間を示す二箇所の一里塚が残っているのは唯一恩納村だけであり、貴重な文化財となっています。

仲泊と言う名前も宿場が多く点在していた所からつけられたようです。

そんな恩納村仲泊に仲泊海岸と言う海岸があります。
暖かい時期には夕日や夕焼けが綺麗に見える自然の海岸です。
沖縄 ウミガメの産卵

近年の沖縄のビーチはリゾートホテルの管理下に置かれ、綺麗に整備されて沖縄を訪れる人々を楽しさを与えてくれる景観となっています。
仲泊海岸はリゾートホテルに管理されていない天然の自然のビーチです。
沖縄 ウミガメの産卵

管理されていないビーチなので、誰かが掃除をしなくはいけません。
近年では観光客の方なども訪れる仲泊海岸です、ごみを置き去りにする人も居れば持って帰ってくれる方ももちろんいます。

そして冬場の沖縄は北風が吹きます。
北風にのって沖縄の西海岸にゴミが流れつきます。

ウミガメの産卵に訪れる自然のビーチ、ほっておけば人間の手によってウミガメの産卵に訪れないビーチになってしまいます。
実際2年間ウミガメの産卵が仲泊海岸で行われていません。
今年2年ぶりに産卵に訪れてくれました。
沖縄 ウミガメの産卵

ウミガメが訪れなくなる理由

  • 人に踏み固められたビーチの砂をウミガメが掘り起こせない。
  • 台風や北風で運ばれたサンゴの死骸やゴミで砂の表面が覆われウミガメが掘ろうともしない。
  • 草などが生えていて砂の幅が少ない。

光害や漁の網なども原因となりますが、やはり産卵に適したビーチでないと訪れてくれる事はありません。

放流会

ウミガメの保護を目的とした放流会が各地で行われています。
沖縄の仲泊海岸でも夜間に孵化したウミガメを、昼間に地元の小学生と放流会をしているのを見たことがあります。
子供たちにとっては良い事かもしれませんがウミガメにとってはどうでしょう。

近年の研究で放流会は慎重に行わなければならない理由があげられています。

沖縄 ウミガメの産卵

放流会によるウミガメの危険

  1. ふ化して、地表にでたばかりの子ガメは、とても活発な状態で、捕食者の多い沿岸域を素早く離れ、外洋に泳ぎ出ます。この活発な状態は数日間で終わってしまうため、その間子ガメを保管することにより、放流後の生存率を低下させる恐れがあります。
  2. 子ガメの地表への脱出は、通常夜間に行われます。昼間に放流会が行われる場合、子ガメを食べる動物に見つかりやすくなり、生存率が低下すると考えられます。
  3. 子ガメが地表に脱出して海に向かって進む間に、方向を知るための地磁気を感じる能力を身につけることが知られています。人の手によって放流した場合、その能力を適切に身につけられない可能性があります。

沖縄 ウミガメの産卵

このようなことから、人の手によって放流を行う場合には、その必要性及び効果について慎重に検討しなければなりません。
また、必要と判断された場合にも、なるべく早く放流する、夜間に放流する等ウミガメの生態に基づき生存率を高めるような配慮が不可欠です。

遊泳速度も一晩保護してしまうと3分の1まで落ちてしまいます。
安全な海域まで逃げる事が出来なくなってしまいます。

卵の処置

沖縄 ウミガメの産卵

移植すべきかどうか
卵を動かす行為そのものが保護であるかのように受け取られがちですが、移植は逆に孵化率の低下や性比の人為的操作を招くことから、極力避ける必要があります。
放置した場合に期待される孵化率が著しく低く、他に保護する手立てがない場合にのみ選択されるべきです。
例えば、汀線近くで波を被ったり流されたりする、産卵時期が遅いために温度が低く孵化が望めないなどの状況では、移植は有効な手立てとなります。

移植場所
移植先は、波が被りにくい水はけの良い場所で、子ガメが人の手を借りずに自ら勝手に海へと旅立てるような環境にしましょう。
同じ場所を繰り返して使うと砂に有機物が蓄積され孵化率の低下を招くので、場所を変えるか砂の入れ替えが必要です。
野外で適当な場所がない場合には、容器での人工孵化もやむを得ません。

移動の際の注意
産卵から数時間経つと、移動の際の振動で胚が死にやすくなるので、移動には細心の注意が必要です。
例えば、卵の上下を逆転させないように、掘り出す際に卵頂部に鉛筆やペンで印をつけることも効果的です。

ウミガメの産卵のための出来る事

できる事は簡単な事です。
産卵しやすい環境を整えてあげる事。
日々少しずつクリーンを行う事、雑草等を取り除く事です。

数年前の様に毎年たくさんウミガメが産卵に訪れる仲泊海岸を目指して。
沖縄ウミガメの産卵

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